『足長蜂』退治
先日の3連休は中央道で酷い渋滞に遭ったので、今回のシルバーウイークはとても遠出をする気にはならなかった。私は2連休だったのだが。
お隣さんが刺されてしまった『足長蜂』。これはもはや我が家だけの問題ではなく、しっかり退治しなければ近所迷惑になる。バス停が真ん前にあるし、この巣をめがけてスズメ蜂も飛来してきて危険なため、いよいよ退治することに決めた
蜂は巣をぐるりと全体を取り囲むようにビッチリと着いていたのだが、台風の後からは巣と左の枝とに分かれて固まるようになっていた。
ああぁ〜こんなに沢山いるのに可哀そうだなぁ… でもなぁ…
また刺される人が出たら困るしなぁ。
やっぱりやるしかない
市販の『一撃必殺ハチアブスプレー』を使用。
8mは届くと書いてあったが、的である巣をしっかり狙うために、3m弱の距離からシューッと長押し。
何匹かは飛んで逃げたものの、ほぼ全部の蜂がボトボトと下に落ちて、あっという間に蜂の巣は空となる。
恐ろしいほどの効き目だ
庭に広がった蜂達を箒で集めるとこんなになった。
しばらくしてから、無事だった数匹が戻ってきて飛んでいた。
今度はもっと人のいない所に巣を作ってね。
裏山には木々がいっぱいあるのだから。
ちょっと切ない蜂退治だった。
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〜82歳のお誕生日〜
2011年9月23日(金) 昭和4年生まれの母は82歳のお誕生日を迎えた
認知症になってから8年、施設に入って3年弱。色々な変化はあったものの、穏やかに毎日の生活が送れていることに感謝の気持ちが溢れる。
何人の人からも「おめでとうございます。」と声を掛けてもらった。
母だけではなく、私にも。
こんなに沢山の『おめでとう。』をいただけるなんて幸せなことだなぁとまた感無量
写真は施設の看護師さん2名と介護士さん1名である。
お誕生日プレゼント に部屋置き用のアロマをいただいた。
私は小さなブーケと苺のショートケーキ
久し振りに母の口に生クリームを入れてみた。…口は開いたままの無反応。少し待ってみたが無理だなぁーと思って拭おうとしたら、ムニャムニャごっくんと飲み込め、2口だけ食べられた 味がわかったかどうかは定かではないけれど
2人だけになってから記念撮影
また来年も再来年もこうして一緒にお祝いができますように
母の誕生を祝ってくれた方々、本当にありがとうございます
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霞沢岳 日帰りピストン
9月18日は夜勤明け。翌日は雨だと思っていたので山行予定はしていなかった。眠い目をこすりつつ、通勤途中にあるジムへ寄り、少しだけ身体を動かしてから帰宅
とはいえ、台風の影響は時間通りとは思えないので、遅くても15時までに下山できる山を考えた。
北アルプスの霞沢岳 2645.6mに決定
早速‘さわやか信州号の夜行バス’を調べてみると満席。そうか、世の中は3連休だった。
そうとなれば自分で行くしかない。仮眠をとってから夜発で行くことにした 目指すは沢渡大橋、5時40分の始発バスに乗るのだ
途中、諏訪湖SAで力尽きて寝るが、無事に沢渡大橋バス停上方にある、市営第一駐車場へ駐車 1日¥500
2011年9月19日(月)
沢渡大橋05:40→上高地バスターミナル06:05着
片道チケットだと¥1200だが、往復で買うと¥2000。勿論往復で購入 チケットは下りる時に必要。
3連休とはいえ、今日は最終日。駐車場もバスもガラガラだった。
今回はトレイルランの装備で行くか、登山装備で行くか迷ったけれど、天気が不安定であることや、足場が登山靴の方が向いているのではないかと想像し、登山装備で登ることにした。…失敗だった。
【往路コースタイム 所要時間04:11】上高地バスターミナル06:12→河童橋06:15/06:17→明神06:45→徳本峠入口06:48/06:50→最後の水場→07:38/07:42→徳本峠・島々方面,霞沢岳分岐07:54→ジャンクションピーク08:28/08:32→P2 08:58→K1ピーク09:56/09:58→霞沢岳10:23
早朝の森は晴れていてもまだうす暗い。
写真ではボケてしまうのだ。
小梨平キャンプ場を過ぎて間もなくのところで勢いよく前のめりに・/span>倒してしまった
少し前で靴紐を結わき直しているオジサンが驚きつつも、見ない振り 後ろには誰もいなかった。ほっ
原因は、左の靴紐のループが長めで、右足の登山靴の紐を引っ掛けるところに引っ掛かってしまったのだ。どちらの足も前に出せず、勢いよく歩いていたので身体の重心は前にあり、そのままバッタリだ。
両膝と手の平でほぼ受け止めつつうつ伏せになる。
直ぐに立ちあがるが痛みがジンジン 普通に歩けず小股でヨレヨレ我慢しながら進む。「この先大丈夫かなぁ?」と不安になるが、次第に痛みは落ち着きホッとする。今日は一日注意して歩けという教訓だと心で呟く。
明神を過ぎて間もなくで‘徳本峠入口’の分岐標識が目に飛び込む。
誰もこちらに曲がる人はいない。
上高地からの登山では、一番人気薄ではないだろうか。
身体が温まったので、薄手のフリースを脱ぎ、長袖1枚となる。
徳本峠入口からしばらくは、このように軽トラが走れる程度の道幅の林道が続く。
これならトレイルラン装備ならば走れたのに。。
木の小さな橋の1本目を過ぎると道幅が幾分狭くなり、2本目を過ぎると登山道らしくなる。
沢沿いではこの花が主役だった。
ナデシコ系かな? こぶりで可憐だ。
それまで右手に見てきた沢から離れる時に、沢筋の景色が開け、向かいの穂高が朝日に照らされてい た。
登山道はひたすらの九十九折り。
それも歩き易い、急登ではない登りだったので、ローカットの靴ならばもっと楽だった。
途中途中で沢が流れ込んでいるが、ここが最後の水場、そしてベンチが設置されていた。
水はほぼ満タンだったけれど、ちょっぴりでも注ぎ足しておく。
このほんの先にも水は流れていた。
九十九折りの道も、少々石はゴロゴロしていても基本的に歩き易い。
ジャンクションピークが近づく頃にはだんだん急になってくる。
ジャンクションピーク 2428m
一人のオジサンが休憩中
うっかり三脚を忘れてしまったため、撮影をしてもらう
オジサンは昨晩徳本峠小屋に泊まり、仲間の16名が朝の5時から霞沢岳に向けて出発していると話してくれた。
ということは、団体さんが下山の時に擦れ違うことになる。
地図にも載っている、小湿地。
ジャンクションピークを過ぎてからしばらくはぬかるみの道となり、歩きにくい。
ジャンクションピークが1つ目、そしてこの‘P2’が2つ目のピーク。
このように‘P5’まで小さなアップダウンが繰り返される。結構しんどい
ちょっと美味しそうな実もあった。
ずーっと樹林帯を歩いてきたが、P5を過ぎて開けると、後頭部へ照りつける太陽 がキツイ。
ピントが後ろにいってしまったが、リンドウがちらほらと目を楽しませてくれた。
K1ピーク前になると急登。
トラロープがつながっており、なければないなりに登れる道ではあるが、有れば使ってありがたいロープである
こちらがこれから向かうK2ピーク、その奥に霞沢岳山頂。
遠く見えるが案外近い。
そうこうしている間にどんどんガスが沸いてくる。
やはり天気の崩れは予報より早そうだ。
風も強くなってきた。
稜線では雨に当たりたくはないので急がなくちゃ。
ジャンクションピークで写真を撮ってもらったオジサンの仲間達16名と擦れ違う。
霞沢岳 2645.6m
晴れていれば背後に穂高が見えていたはずだが、あっという間にガスに包まれてしまった
山頂には3組4名の方が先着していた。
こちらの単独のオジサンに撮影依頼
徳本峠小屋から登ってきたというが、その最中にズボンのお尻が破けてしまったと恥ずかしそうに立ち上がる。かなりバックリ破れていた お気の毒。自分だったらどうするか?衣類を腰に巻きつけるしかないな。
西側の上空は晴れていた。
帰り道の稜線もガスが押し寄せている。
景色どころではなくなってきた。
ガスって美しいのは苔である。
踏み外してはいけない崖が1ヶ所
普通に見て歩けば危険のない登山道。
帰り道はアップダウンが気にならなかった。
ただ、P2からジャンクションピークまでがやたら長く感じた
下に下りてきたら、また穂高がギリギリ稜線まで見えてきた。
沢沿いの林道から徳本峠入口までの静かな道は、登山靴でドスドスとかろうじて走り先を急いだ
雲行きが怪しい。
徳本峠入口から上高地バスターミナルへ向かう道に入ると、登山客も観光客もどっと増えるのでサッサ歩き。
そうそう、今日は2回も・/span>んだのだった
2回目も1回目と同じに靴紐を自分に引っ掛けてハイマツ帯で前倒れ。同じく両膝打撲
紐を小さく小さく結び、その後はなるべく両足を左右に離して歩くことを心掛けた。
【復路コースタイム 所要3時間3分】霞沢岳10:36→K1ピーク10:58→ジャンクションピーク12:06/12:09→徳本峠小屋分岐13:05→最後の水場12:37→徳本峠入口13:05→明神13:08→河童橋13:36→上高地バスターミナル13:39
予定より早めの13:39に上高地バスターミナルに到着すると、人で溢れかえっている
なんと昼過ぎに上高地⇔沢渡間の山に土砂崩れがあり、一時道路が不通になっていたらしい。現在は復旧したものの、その影響でバスの発着が大幅に乱れ、私が乗る沢渡行きのシャトルバス乗り場は、上高地インフォーメーションの建物をグルリと並ぶ大渋滞
無論、新宿行きや大阪行きなど全てが遅れ、各事業者の添乗員さんなど走りまくっていた。
それでも開通してくれて良かった。道路が通れなければ閉じ込めにあうのと同然だもの。
バスターミナルで1時間30分程度の待ち時間で乗車できた。
上高地は14時前には大雨 が降ってきた。
早めの下山は正解だった。
沢渡大橋駐車場の直ぐ下に温泉
小さい施設で洗い場が少ないのが難点だったが、私はスムーズに利用できた。後ろに並ばれると慌ててしまう。
帰りの道も渋滞。中央道は小仏トンネル付近で30km。諦めて談合坂SAで熟睡 涼しくて眠るにはちょうど良い。0時近くに目が覚め、けんちん汁をすすってから帰路につく。翌日午前休みだったので気楽なものだ。
今になって両膝頭が痛い なんとも見事な・/span>びっぷり。
明日にはアザになるんだろうな。イテテテテ
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同僚の送別会in上大岡
2011年9月9日(金) 職場仲間の送別会が上大岡の‘がちま家’で行なわれた。
ここは沖縄料理のお店である。
お料理は、ジーマーミ豆腐・ミミガ―・海ブドウ・ゴーヤチャンプル・カーリーポテト・ラフティ・タコライス・さとうきびアイスなど、ベーシックな沖縄コース料理だった。
送られた人は向かって左の‘くるるさん’。
一緒に働いたのは約2年半。彼女の職場での存在感は10年くらいはあるだろう。
‘くるるさん’の横には、毎度飲み会では一番の酔っ払いへと豹変する‘ファンタジアどん’
そして反対側に座る元マネージャー(現在は他施設のMG)は、キックボクシングをやっており、スタイル抜群、仕事、プライベート、家庭と見事にこなすカッコイイ人だ。
うちの部署には男性職員は2人いる。その1人が主任の彼である。そして契約社員さん、パートさん、私。
送別会だというのに、ちっとも辞めていくという気分にならない。ピンとこないのだ。
明日は一緒に夜勤をして、それが最後の勤務になる。それが終わるとお別れ気分になるのだろうか?
そんなわけで仕事の思い出話を特にするわけでもなく、なんとな〜くの飲み会だった。
くるるさんとは11月には‘横須賀マラソン 10km’のレースにも参加する約束になっているし、今後もお付き合いは続くので、ひとまず仕事は一休み。
心の充電と、身体はしっかり鍛えてもらって、RUNに山登りに美味しい物ツアーへと一緒に楽しませてもらいたいと思う。
そして新しい仕事についてもまたゆっくりと話を聞かせてね。
お疲れ様でした。ありがとうございました
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南アルプス 白峰三山
今回は椹島を基点として、赤石岳〜大沢岳〜聖岳の周回コースで計画していた。
2011年9月11日22時頃に自宅を出発 畑薙第一ダムを目指した。翌朝8時の一番バスに乗り、9時に椹島入り。1泊目は赤石岳避難小屋、2日目に聖平小屋着の時間によって、そのま泊まるか、椹島まで下りて1泊しようかと計画書を書いていた。
ところが!! 東名の清水ICから静清バイパスに乗り継ぎ、梅ヶ島と井川ダムの分岐を井川方面に向かって間もなくのところで通行止めの標識が 右も左も通行止め。台風12号の大雨による土砂崩れによるものだった。ただ、標識の直ぐ目の前のことではなく、数10km先のことだった。ひょっとして行ってみれば迂回ルートがあるかもしれない…などとしばらく車を停めて思案したが、畑薙第一ダムまであと60km以上ある。暗いくねった道をそれだけ進んで、もし通れなかったらもう動ける体力がない。せっかくの3連休だし、お天気もいいのでどうしても山に登りたい。…そこで思い付いたのが、もう一つ行きたいと思っていた白峰三山。
ここから奈良田はどのくらいで行けるのか、ナビにセットしてみると100kmちょいだった。下道だけれど、道は悪くなさそうなので急遽変更してそのまま奈良田へ向かう。深夜1時頃のこと。
途中、居眠り運・/span>になったので、広場のようになっているところで仮眠。ハッと目が覚めたのが4時。急いで奈良田へ向かい、到着は7時過ぎだった。
9月12日(月) 広河原行きのバスが8時始発だったので安堵。片道¥1100
以前から頭に描いていたコース。
広河原→北岳→間ノ岳→農鳥岳→広河内岳→大門沢から奈良田へ下山の1泊2日だ。
しかし今回は予定外だったので地図も持参していない。もちろん計画書もない。
もしも山岳会に入っていたら、こんな突発的な変更と準備不足の登山は許されないことだ。
ちょっと罪悪感を感じながらも、何度も地図を開いているコースだし、メジャールートなので標識や登山道もしっかりしているだろうし、コースタイムも今回計画した赤石岳よりも楽だし特段危険はないと判断。
広河原には08:45着
トイレを済ませ、さてどのルートから登ろうかと吊り橋を渡ると直ぐにこの看板。
こちらも台風
そういえばここまで向かう河川の増水と濁流はこの快晴 に似合わない激しさがあった。
このルートは、前回北岳に来た時に下山で使ったルートなのでイメージは残っている。
水場が4本前後こうして出てくる。
水量は前回より多めだが、濁ってはいない。
水際は涼しくて気持ち良い。
樹林帯の急坂をぐんぐん登って行く。
結構ハード。
白根御池小屋へ到着。
ここまでは数名の単独男性を追い抜いたが、圧倒的に下山者が多い。
そうか、月曜日だからか。
そして、大樺沢ルートが通行止めなので皆このルートを通るわけだ。
白根御池からしばらく登って振り返ると、中央下に御池、後方には鳳凰三山が連なっている。
白根御池からは太陽の陽射しを全身にガンガンに浴びながら、消耗するのを感じながらの登りだった。
ここを登りきるとやっと稜線。長かった。
こちらも来た道を振り返って撮影
鳳凰三山のオベリスクまで見える。
進行方向右手には、南アルプスの女王である『仙丈岳』がゆったりと伸びやかな姿を見せている。
足元の草は赤く色づき始め、秋の気配だ。
見晴らしが良いと気持ちのイイ稜線歩き。
北岳肩ノ小屋へ到着。
ペットボトルのお茶を1本購入。¥400
後ろの一番高いところが北岳山頂だ。
右手の高くて平らな所が山頂で、数名が立っているのがわかる。
もうすぐ
北岳山頂 3192.4m
ほんの少し前まで快晴
だったのに、山頂に到着した時にはこのように雲前回同様展・/span>がきかなーい
それもショックだけれど、それより勢いよく沸いてくる雲、暗い雲…雨に降られたら嫌だなぁと思い、まだまだ歩かなければならない農鳥小屋を目指す。
この時期、紅葉には早く、花はほとんど終わっている。
そんな中で頑張って咲いてくれていた花達。
北岳から間ノ岳方面。
鞍部に北岳山荘の赤い屋根が見えている。
案外遠い。
北岳山荘。
もうガスの中。
なんだか重〜い気分。雨が降ってきたらここで泊まってしまおうかとも思う弱気だったけれど、13時。やはり農鳥小屋まで行くことにする。
中白根山 3055m
登山道から1分程度脇に、小高くなっている所にこの標識が立っているのが見えたので寄る。
ガレた道を進む。
北岳を過ぎると人がガクっと減る。
さらにこの時間で北岳山荘を過ぎると静かな山歩きだ。
晴れていれば快適。ガスっていると寂しい気持ちにもなる。
青空が見えた?(^^)?
ずっと帽子を被っていたので脱いだらボサボサ、お疲れ気味
間ノ岳から5分も下ると眼下に農鳥小屋が見えた。
本日の行程はあと下るのみ。ほっとした。
後方の山は明日歩く、農鳥岳方面。
間ノ岳から農鳥小屋までの道は、急なガレ場だ。滑って落ちたら止まりにくそうなほど。
そこを過ぎての緩斜面。
やっと着いた。 農鳥小屋 15:04
いい噂を聞いたことのない小屋だ。
でも、疲れている私にとっては救いの小屋だ。
大きな1室の右と左に分かれて寝る方式。
こたつが暖かい。
造りが古く、ちょっとジメっとしているが、使い勝手としては悪くない。
荷物を置いて、受付の際に名前と年齢、住所、電話番号、どこから来てどこへ行くのかを訊かれる
私は当たり前のように、広河原から来て、明日は大門沢を下りて奈良田へ下山すると言った途端、睨まれた!
「大門沢は通行止めよ。通れないよ。調べてこない貴女のミスね!」とハキハキ?ズケズケ?厳しい表情で強い口調で言われる。
その勢いにも少々驚いたが、それよりも明日下山を予定していたルートを下りられないとなると、また今日来た道を戻らなければならないことがショックだった。あのガレた急坂である間ノ岳と北岳を登り返すなんて、
ひぇ〜〜〜っ 疲れているから・/span>計にこの瞬間のダメージは大きかった
でもダメだと言われるのだから考える・/span>地はない。
「明日は農鳥岳に行ってから広河原へ戻るのか?」と訊いてくるので、「縦走できないのなら、もう農鳥も辞めて引き返します。」と弱気発言をした。すると「なんで 農鳥岳までピストンすれば縦走完了じゃない。行けるよ 」と言われる。私はすっかり意欲を失っていたので、気の無い返事をしてその場は終わった。
寝不足だし、久し振りに荷物を背負っての登山だし、もう疲れた 夕食まで寝ちゃえ
私の後に単独の女性1名、男性2名が到着する。
「こんな遅い時間になって!食事付きならせめて15時までに入ってもらわないと 」と怒られている。60歳過ぎて怒られる経験はあまりないのだろう。ズバズバ言われて皆恐縮している。
私は15時4分過ぎに入ったけれど、アポを取っていないと怒られたんだけど
そして17時過ぎから夕食。
別棟の小さな小屋が食事場。ご覧の通り、具だくさん味噌汁に、ヒジキと高野豆腐、乾燥山菜の入った煮付け、そして漬け物類だった。
今時の山小屋にしたら質素な食事だ。悪い・/span>判は何度か耳にしたことがあった。けれど私にしてみれば、瓶詰から出しただけの物だけでなく、レトルトでもなく、きちんと栄養価があり、甘めの物と塩気の物があり、ご飯の進むおかずであり、汁物もたっぷり。何より手作りの美味しさがある。私は一人でこの小屋を切り盛りしている、歯に衣着せぬズケズケトークの小屋番さんに人間としての温かみをとても感じた。
黒い雲はいつの間にか去り、青空が出てきた。
涼しくて、いや寒いくらいで清々しい空気だ。
青い屋根の小さな建物がトイレ である。
正面に見えるのが女性用、手前の欠けて写っている屋根が男性用。分かれているのがありがたい。
これ、トイレの中。
ただそのまま穴が開いているだけ。下にトタンが敷いてあり、そこに直撃して流れ落ちていくタレ流し状態。拭いた紙は横のビニールへ入れる。
床が斜めでなんだかコケそう、抜けそう、落ちそうで怖い
このご時世で珍しい。
キリマンジャロ登山を思い出す。しいていえばドアがあるだけマシかも。
暗いと尚怖そうなので、明るくなる朝までは絶対に行かなくて済むように気をつける。
犬を3〜4匹飼っていた。これまた珍しい
夕方、外で景色を眺めている客それぞれに話し掛けている。
それもズケズケ悪態をつくけれど、笑顔もチラッと見せたりして微笑ましい。
私は何を言われてもヘッチャラチャラ。小屋番さんには悪意がないのがわかるから。
そして中心にブロッケン
わかるかなぁー?うっすらと。
陽も暮れて、こたつに入って宿泊客と情報交換。
最後に到着した単独男性が、通行止めのはずの大門沢ルートから登ってきたのだった。奈良田には通行止めの標識などが出ていなかったから気付かなかったという。私も奈良田を通過した際、特にそのような情報、標識は見掛けなかった。知っていたら農鳥小屋までは突っ込んでいない
大門沢ルートは、大きな渡渉地点の橋が3つ流され、2つまでは既に復旧されており、3つ目が工事中だったという。それより上流では、水量が多く、流れも速く深さもあるが、石の上を跳んで渡れば問題ない。石は滑りにくいタイプで、沢の幅は広くはない。自信がなければザックを向こう岸に投げてから空身で跳べば楽だと言う。
そして小屋番さんからの情報では、前日4人パーティでその沢を下りている途中、ザイルを張ったけれど女性1名が足を滑らし流され、今日遺体が収容されたとのこと。水量が多く、道も荒れているから絶対に行くなと言う。
私と同じ、大門沢への下降ルートを予定してきた年配の単独女性は、間ノ岳、北岳をまた登り返す広河原へのピストンはしたくないということで、言葉を濁しながらも大門沢へ下りる決心をしたようだ。以前にも通ったことがあるという。
私も迷った。農鳥岳に行き、大門沢を下降する方が歩いたことのないルートで楽しみは大きいし、何より楽だ。時間的にも短時間で済むので、その分慎重にゆっくり行けば下りられないとは思えない。登ってきた男性の話からすれば、自分の体力と経験を踏まえて問題ないと思えた。
けれどうっかり足を一度滑らせたら多分流される。亡くなられた女性のように。そしてケタは違うが、この夏に上ノ廊下で流された中司氏のことも頭をよぎった。
小屋の就寝は19時。 明日は農鳥岳を登頂後、9割9分の心つもりで大門沢から下りようと思いながら寝た
【1日目コースタイム】広河原山荘08:55→白根御池小屋10:10/10:15→二俣分岐11:09→北岳肩ノ小屋11:47/11:51→北岳山頂12:19/12:26→北岳山荘13:01→中白根岳13:30→間ノ岳14:13/14:23→農鳥小屋15:04泊
昨日は見えなかった富士山のシルエット。ゆっくり寝たら、体力・気力充実。
疲れている時に考えることと、元気な時に考えることとは大分違ってくる。
携帯電話は電波が3本立っても夕方はプツプツ切れてほとんど入らなかったが、朝は通じていた。
着信していた友達からのメールなどを読んでいると、苦手な沢でリスクを冒すよりも、多少時間がかかっても元来た道を戻ろうとすんなり思えた。
そうだ、ガスのかかっていない北岳はまだ経験がないのだ。今日は雲が上がる前の午前中に北岳に立てればきっと絶景が見えるはず
小屋番さんに言われた通り、朝食を4:30から食べ、05:11には農鳥岳に向かって小屋を出た。
登っている途中でご来光を拝んだ。
振り返ると眼下に農鳥小屋、バックには間ノ岳が朝日に照らされている。
西農鳥岳がどこにあったのかわからないまま、稜線をトラバースしながら農鳥岳へ向かう。
富士山も雲海を・/span>えて頭を出している。
朝食無しで先行したお2人。
今日、熊ノ平小屋へ向かう予定のオジサンとは農鳥岳山頂で会い(農鳥はピストン)、大門沢を下降する年配女性は追い越し、戻る時にまた会った。
私が広河原へ戻ると言うと、「どうしようかしら。怒られる(小屋番さんに)わよね。」と言いつつも、戻ることはしないだろう。
実際、体力とスピードを考えた時、私は戻る方が安全なのは確実だが、そうでない場合は決して北岳周辺が安全だとは言いきれない。ゆっくり慎重に沢を下りる方が足が持つ可能性も高いのではないか。どちらを取るかは自己判断、自己責任。どうぞ本当にお気を付けて。
山頂の景色を堪能し、農鳥小屋へと戻る。
小屋には荷物を置いてはいかなかったが、念のため、小屋番さんに戻ったことの挨拶をした。
すると直ぐに「あのオバサンはどうしたかね?」と心配そう。「わかりません。私が戻る時にはまだ登りでしたから。」と答えておいた。
「きっと大門沢を下りるね。仕方ない。あそこまで言ったんだから、もうあとは自分で決めるんだろうからね。」と渋い笑顔だった。
でも、‘怒り’ではなかったこの反応を他の人達にも見せたかった。本当に登山者の身を案じて言う注意なのだ。口は確かに悪いけれど 「コーヒーでも飲んでいくか?」「いえ、先を急ぎます。」とお礼を言いつつ小屋を後にした。おじさん、ありがとう
間ノ岳へ上がる手前の紅葉
1パーティーが独占にてスルーする。
標識の向こうに富士山。
これを下ると鞍部に北岳山荘。
そして眼前に北岳がクッキリ。
昨日とうって変わっての快晴
陽射しが強くて耳が痛いので日本手ぬぐいでほおっ被り。
昨日は12時を境にいっきに雲が沸いてきたというが、今日は10時過ぎには沸いてきていた。間に合って良かった。
ここから樹林帯で、最初は小さなアップダウンがあるが、最後はひたすらの急な下りとなる。
帰りの広河原→奈良田行きのバスの時刻を見て来なかった。本数があまりないことだけは記憶にあったので、途中から気になり、時間の切れ目○○時00分だろうと勝手に想像し、12時00分までに下山してみようと思った。
【2日目コースタイム】農鳥小屋05:11→農鳥岳06:06/06:13→農鳥小屋06:54/07:05→間ノ岳08:00→中白根岳08:28→北岳山荘08:45/08:52→北岳09:38/09:52→北岳肩ノ小屋10:08/10:10→二俣分岐10:30→白根御池小屋11:02→広河原山荘11:55
急いでいる私を見掛けたタクシー受付の人が、「どこへ行くの?」と声をかけてくれたので、「奈良田です。」と応えたら、「あー、11:50発で今出たばかりだよ。次は16時まで無いよ。」だって
いくらなんでも16時までボーっと待ってはいられない。タクシー料金を聞いたら一人なら¥7000だって。時間とお金を測りにかけ、時間をとった。
あ〜あ、踏んだり蹴ったりだ。
9人乗りのタクシーで奈良田へ戻る。
途中、バスを追い越し12:36に到着。
一度は入ってみたいと思っていた、憧れの温泉、『奈良田温泉
奈良田第一駐車場からも裏から登れたようだったが、その階段に気付かず、民族資料館の駐車場に車を移動し、坂と階段を登り切ると温泉施設がある。
¥500を支払い、大広間を横目に通過すると浴室へ続く坂道がある。
無色透明の美しい湯で、ヌメヌメだった。
飲用ができるということで、ニッコリ撮ろうと思ったのだが、硫黄臭さについウッ!という本音の表情になってしまった。味は印象に残っていない
木造りの浴槽だが、熱めの湯と温めの湯とに分かれている。
温泉がヌメヌメなので、浴槽内がとても滑る。
セルフタイマーの時間内で移動するのが大変
露天風呂がないのが残念だが、泉質は美肌効果のありそうな素晴らしいものだった
13:40には奈良田を出発し、自宅への道をひたすら走ったが、帰宅は19時。これといった渋滞は16号線から横横に乗るところくらい。
距離は遠くはないけれど、北アルプスの方が時間的には近く感じるドライブとなった。
今回はハプニングだらけの山行になってしまい、少々お疲れモードだけれど、きっと後から思い出すといつまでも心に残る山旅になったのだと思う。
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