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‘岩手山’と‘仙女の湯’ 090911(金)
東北の山は標高が低くても高山の雰囲気があり、自然が自然として残っているあたりが大好きだ。
私の手元にある岩手山が載っている昭文社‘山と高原地図’は1999年物。当時は火山活動が活発で、登山禁止と表示されていたため、これまでに登ろうと思ったことはなかった。しかし今回は花は・/span>めない、紅葉には早いといった中途半端な時期に何処へ行こうかと思案した末思い付いたのが岩手山だった。つまり山としてあまり期待をしていなかった。往復夜行バス利用で、宿泊せずに行ける山であり、お金のかかるレンタカーなど利用しなくても行けることが条件だった。そうして調べていたら、岩手山の麓に‘網張温泉 仙女の湯’というのが目に留まった。数名のHPを見たのだが・/span>価が高く、雰囲気といい、泉質の良さといい、これは絶対入りたい と思い、岩手山から網張温泉への下山ルートが先に決定した。路線バス利用で一番早い時間に入山ができ、景色やルート的にも変化に富み面白そうな‘県民の森’コースを登山口に選んだ。ただ、またしてもコースタイムが厳しい。網張温泉からJR雫石駅へ行く最終バスは16:55。仙女の湯 に入って、このバスに乗りたい。最悪タクシー利用も視野に入れ、計画実行となった。
仕事後、夜行バスで盛岡へ(06:30着)。そして松川温泉 行きの路線バス(06:54発)に乗り換え‘県民の森’で下車(08:30着)。運・/span>手さんが「岩手山に登るの?こんな所に登り口あったっけ?」「そのはずです 」と元気に応え1人降車したものの、そういえば地図は1999年物なので、まさか廃道になってる と不安が押し寄せた。が、ちゃーんと地図通り舗装道路の突き当りに登山口があった。ほっとした。
注意書きがある
『足場の悪い箇所があるから一般登山者は他のコースを利用するように。』だって
う〜ん 他の登山口に行く時間なんてないし、ダメなら引き返せばいいことだから行きましょう 08:42
県民の森とはいえ、だ〜れもいない。
気持ち良い緑のシャワーを浴びる森の小道
‘七滝’到着 09:10/09:15 かなりの水量で迫力あり
60歳前後のカップルに会う。多分このルートから登ったのは、私達3人だけだっただろう。
枯れ木にたっくさんの小さなキノコがニョキニョキ密集。
宮崎駿の世界に登場しそうだなーなんて思う。
沢を横切る。
この赤茶の川床が鉱山って感じ。
沢の水が冷たく、その付近の気温が低いから、ここのもみじだけが真っ赤に紅葉している
樹林帯からスポンと抜けると途端に硫黄の臭いがたちこめ景色が変わる。
こんなに開けた場所で、水流のある沢の中に苔ってあまり生えないと思っていたけれど、ここは絨毯のような苔の上をなめらかに水が流れている。光に照らされると尚美しい。
両側に沢が流れているのだが、登り右手の沢の水は白濁しておりまるで温泉のようだ。ついあったかいんじゃないかと思って触ってみたけれど冷たかった
しばらく、この白濁の沢を見ながら登るのだが、周囲の木々は広葉樹。紅や黄色に紅葉したら、この白濁の水に映えてどんなにか美しいだろう。あ 時期が早過ぎた。もったいない
見上げれば鬼ヶ城。
登頂後は、あの上を歩いて網張温泉へ降りる予定だ。
沢を渡る。
左手の沢は赤茶色の川床に透明の水が流れている。わずか尾根を1本挟んだだけで、こうも様相が違うものか。
同じアジサイだよねぇ。
こんなに濃い紫になるんだね。これも紅葉かしら?
いよいよ来ました、大地獄。
息苦しくなったら濡れたタオルで口と鼻を覆うこと…了解。
かなり硫黄臭い。
以前に安達太良でガス中毒で亡くなられた方が大勢いたっけな、なんてことを思い出す。
標高が上がったといっても2000mには届いていないのに、葉の紅がキレイ。
ここが登山口にあった悪路。…確かに!あまり踏まれておらず、かなりの斜度でザレザレ、崩れる。 掴まる物なし。ストックがあれば随分助かるだろうに持ってない。四つん這いになると・/span>計に落ちるので、斜面に足裏をピッタリ全面着けて、身体は起こす。すると必然的にアキレス腱が思いっきり伸びる。時間が経つほどにイタタタタ… ガスなんて気にしてる場合じゃなくなった。
傾斜がなだらかになったところで腱を休めながら、振り返ると、八幡平方面。
御花畑到着。とはいっても、この時期には枯れ草のみ。バックに鬼ヶ城の稜線。
間もなく山頂直下。
冷たい強風が吹きつけ、汗が冷やされるのでじっとはしていられない。雨具の上だけ風除けのために着用する。
この3枚って皆同じ花だと思う。ほとんど同じ場所にありながら、色とりどりで面白いな〜と思った。
不動平避難小屋 11:53/12:00
キレイな避難小屋だ。トイレも有る。
下山後の着替えや装備品など不要な物を小屋の中へ置いて岩手山登頂〜お鉢巡りに出発。
登り途中からの風景。
ん?なんだあの立派な建物は。
最初はホテルかと思ったので、「えーっ!!あそこまで車で入れるのぉ。なんかガッカリ 」って思ったけれど、どう見ても林道らしきものはなく…すっごい立派な山小屋なんだーってわかった。人の姿がチラホラ。
あれほどの小屋ができるってことは、岩手山は相当人気がある山なんだと認識したしだい。
歩いてきたルートがわかる。
あんな所に湖があった。それを時計の逆回りで、大きく巻くように登ってきたのだった。
山頂には単独男性3名がいたけれど、しっかり三脚を立てて記念撮影
案外お鉢巡りをする人は少ない。
あっという間の距離なのに何故なんだろう?
指差しているところが岩手山山頂。山肌の赤茶けた色と草のコントラストがきれい。
雲も大分切れ、360度の大展・/span>。町?村?の長閑な風景が広がる。
奥が岩手山、山頂。手前はお鉢巡りの中にあるピーク。登ろうと思ったけれど、道がなかった?
中から見上げた頂上への道。
ポツン、ポツンと立つ道標(石碑)と、白い雲、青い空が厳かな巡礼の道のように感じられた。
不動平へ戻り、改めて岩手山を眺める。
ここまでのルートで十分に満ち足りた気分。 12:45/12:55
さあ、次は鬼ヶ城ルートから目的地の網張温泉
避難小屋から岩手山に登ったルートがよく見える。あそこのY字を左に行けば山頂に近かったのに、右へ行ってグルリと1周してしまったんだと初めて気が付く
人差し指頭程度の木イチゴがいっぱい実っていた。
紫の花も同じくらいのサイズで小さい。
鬼ヶ城のルート。
しっかりとした岩で、滑らない、崩れないので見た目よりもずっと歩き易い。
‘御苗代湖’
ブルーとグリーンの中間色で美しい湖だ。写真で実物の色が出ていないのが残念!
あの木道は御花畑の分岐で歩いたところ。あんなにキレイだと知っていたら寄ったのになー
鬼ヶ城のちょっとした岩場を抜ければもう、こんなに快適な稜線歩き。紅葉が少〜し始まっている。
景色はいいし、風も止んで楽しい山歩きとなった。このルートも下山まで誰一人会わず。
バックに岩手山。
ダッシュ したけどポーズをとるのに間に合わなかった1枚。
岩手山と鬼ヶ城。
ナナカマドが真っ赤に色づいたら、ここもまた美しいと思う。
むむむ…雨雲が向かう方向から勢いよく迫って来る
笹に包まれた 稜線に変わる。
りんどうと岩手山、といきたかったが、岩手山は雲に頭を隠されてしまった。
ここからは展・/span>もなくなり、ひたすら下山。今にも降り出しそうな雨。
時間は…おぉ当初の計画通り、16時までに下山して、温泉に入って最終バスに乗れそうだ。頑張るぞ〜
スキー場リフト。明日の土曜日ならば観光用リフトとして動いているんだけどな。
登山用の標識はとてもわかり易く表示してあり助かった。
かなりの本降り
でも網張が見えた
お腹が空いてきたけれど、濡れながら止まるのは嫌だから、カレーパン片手にかじりながら歩く
リフト乗り場(網張)へ下山 15:43
草刈りをしていたオジサンに‘仙女の湯’の場所を尋ねる。
‘仙女の湯’は混浴の露天風呂。
休暇村岩手網張温泉 本館で、女性は‘ゆゆ着’\300を借りるのが無難と事前情報があったので、その通りに借りる。
木箱へ料金\300を投入。
雨が上がったばかりなので人はいないかも…と、本館横から仙女の湯への登山道のような道を進む時、背後から一人の男性が急ぎ足で来るのがわかった。ちょっと嫌な予感。でも、時間が無いし、気にしてる場合じゃない。
本館から7分程度で到着。
ここが脱衣所で、男性が左、女性が右に更衣室。そして更衣室から出るとこちら側と一緒で単純に合流して一つの浴槽?温泉 があるだけだ。
想像よりもずっと小さい湯船だったし、男女の間にはあまり意味はないとしながらも簾がかかっていたはずだが、それはなくなっていた。
中にはあの男性が一人だけ入っていた。
こちらからしっかり顔を見て話し掛けると、返事を返してくれる様子から「あ、安心な人。」と直ぐに思えてリラックス。しっかり写真まで撮ってもらった
白濁したお湯で、温度は若干熱めの私好み。雨に濡れて冷えきった身体が芯から温まった。
そうこうしているうちに、また50代男性が一人入ってきた。身体も温まり、バスの時間にもちょうどいい頃合いなので先に上がる。
脱衣所から出ると、年配女性が3名ほど浴衣で賑やかにやってきた。
‘仙女の湯’を静かに堪能できて良かった。雨にちょっと感謝。
予定通り、16:55のバスで雫石駅へ。そして盛岡に到着後、夜行バス23:55発までの時間を下調べしておいた、入浴休憩施設である‘MARS’へ。夕食は『盛岡冷麺』シコシコして美味しかった。女性仮眠室にはだ〜れもいない。ゆったり過ごせて快適だった。
盛岡でひとつ驚いたことは、皆さん運・/span>がダイナミック すごいスピードでいきなり左折して後ろの車がキィーッ!なんて急ブレーキは当たり前?!往復乗った路線バスは、停車しながらドアが開くから、こちらも停まりきらないうちに乗り、よろけて座席へって感じで恐ろしかった。皆さん平然としているから、これが普通なんだろうなぁ。そういえばお年寄りは乗客にいなかった。高齢者の多いわが町ではあり得ない出来事でした。
岩手山、特に県民の森からのルートと鬼ヶ城は変化に富み素晴らしかった。そういえば百名山だったんだね。納得。今回は網張温泉にこだわったが、他にもいい温泉が沢山ある。次に行くとしたら、1泊してゆっくり堪能したい魅力ある場所といえる。
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コメント
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唐松岳で雷鳥に出会えましたぁ? もち夜半から雨シトシト。満天の星とモルゲンロードはいづこに?って天気だから登場してくれたんでしょう。今年の北アルプスのテン泊。針も槍も竜もすべて雨を頂きました。特に槍はミニ台風の発生で横殴りの強風雨、一睡もできなかった。けどね、雨降るとテントの有り難みを感じるんだ。3000m強の山でも強風はチットだけど雨は十分しのげるけん。ザックはコンパクトにしてテント入れて10k以下にパッキン。これも山小屋の宿泊代を浮かす為に体力でカバーてっか。秋田駒?松川温泉、凄くいいかもです。しかし、noriさんの温泉にかける執念は感服だよなぁ?。オラの秋は劔岳の北、北方稜線、毛勝山・猫又・釜谷山に紅葉三昧登山を予定してます。
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yamatomoさん、五竜からようこそ。
晴れたり曇ったりだったら、雷鳥に遭遇したんじゃないですか?
テントならもう寝ているね。満天の星は・/span>めないか。モルゲンロートは見れるかな。明日は晴れるといいね
八幡平への縦走、いいかも。yamatomoさんには、南八甲田情報も以前に良いと聴いて晩秋に行ったけれど、本当に静かで好みでした。北と南の八甲田では趣きが全然違うものね。紅葉 も温泉 も良かったな〜。酸ヶ湯と蔦温泉、猿倉温泉に入ったっけ。・・・ただ誰にも会わず、熊の気配がやたら怖かったけど
八幡平への縦走もそれに近いかな?
秋田駒から松川温泉への縦走は計画しているよ。連休があればGO!なんですが。
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09.09.14 pm17:20 今、北アルプス、五竜岳テン場2541mより…書き込みしてます。テントは6張、紅葉前の空いてる時期を狙って五竜岳?唐松周遊カッボ。ガスが晴れたり出たりでいまいちだけどのんびりしてます。岩手山は2回登りましたが、八幡平まで縦走が良かったよ。2泊無人山小屋泊まりで行けるよ。これもチョ―お勧め。
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杉浦日向子さんが誰かは私は知らなかったけれど、ケンチャンの説明で人物と名前が一致しました。彼女が他界していたなんてビックリ。短い命だったんですね。人生の中で影響を受ける人って大切ですよね。自分の一部になっているような。
これからも沢山の作品を作り、人の感動を呼ぶといいですね。
sabuyan 紅葉には早いと知りつつ、だから選んださほど期待のない岩手山だっただけに感動とショックは大きかったですね。県民の森からのルートは登りで使うべきだし、紅葉はきっと素晴らしい。山小屋に1泊すれば無理のない行程で行けるし、温泉もいいですよぉ。
ただ、雨天では山頂付近は何も見えなきゃつまらないし、突風の名所でもあるので要注意です。
塔さん、絶対日帰りなんてもったいないです。
休暇村本館にも、茸や雫石牛のお料理がお薦めであったし、地酒も美味しいんじゃないかな 山だけでも日帰りは惜しいと思ったけれど、料理にお酒に温泉。行くなら絶対泊まりをお勧めします 私は盛岡名物、冷麺は食べたけれど、ジャージャー麺を食べ損なっているので、いつかそれも食べたい。
イチローついに達成したんですね。カッコいいね 素晴らしい 才能を努力で開花し続けている彼はこれからもきっとやってくれるでしょう
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イチロウ、9年連続200本安打の大リーグ新記録 達成おめでとう。
本当に素晴らしい 日本人の誇りだ。
来年以降も活躍して、記録を伸ばし続けて誰にも破られない不滅の大記録を打ち立ててください
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岩手山も往復夜行バスを使えば日帰りできるんですね。百名山だし行きたい山です。
山頂付近は荒涼とした火山特有の雰囲気だけれど、山麓は植生も豊かで、素晴らしい紅葉がもうじき見られそうですね。キノコの種類も多いということは、宿泊すればキノコ料理の数々で酒も美味しいだろうから日帰りじゃーもったいないか。温泉も良さそうだしね。
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《補筆》十・/span>年の昔に詠んだ作品は、正確には‥五・七・五調で、「 一片(ひとひら)の 月も湯の中 旅の宿 」だったような気がする。 同時に作った短歌は、五・七・五・七・七調で、「 なに思ふ 秋の夜長の静かさや 心うつして 澄める月かも‥ 」と詠んだ。 澄んだ夜長に皎々と、まんまるお月様が、ぽっかりと浮かんだ風情は、ボクの貧しい創作意欲を掻き立てるに十分でした。 澄んで、美しいものは、はかない。はかないものは、澄んで、美しい‥という心境から来る境地は、この時に、しっかりと根を張って、芽生えたような気がします。 偶然の産物として、因縁の糸は結ばれる。当たり前の情報化社会にあって、偶然の産物としての因縁の糸は、最後の切り札として、美しくとっておきたい。
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紅葉 はすこし早いが秋の気配が随所に漂っていますね。沢や滝に池、噴煙たなびく火山、岩場や剣、木の実や茸、可憐な花達も出迎えてくれたり変化に富んだ山行でしたね。避難小屋も綺麗だし、中腹の山小屋?もホテルみたいだね。下山後の温泉 がこれまたいいのだよね。露天風呂のスナップもなかなかよい写真 ですよ。一日を目一杯楽しんでいますね
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ちなみに、わが師匠・/span>兼・神様の杉浦日向子さんが、黄泉(よみ)の住人となったのは、46の御歳だったと記憶してます。・/span>才媛は、早くこの世を去りにけり・/span>
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岩手山、堪能した。神々しくも、神韻縹緲たるたたずまいは、ブログの中では平標と並んで、僕にとって印象深く残った。鬼ヶ城の植生、素晴らしい! りんどうもいい ‥ 山頂のお地蔵さんと剣・/span>つるぎ・/span>が、信仰の山に映えていた。海と山の岩手山は、豊かな水やキノコにも恵まれてる。15〜6年前、文学修行の真っ直中に、早稲田の下宿の近くの本屋で偶然出会った、杉浦日向子さんの・/span>戸と近世を描いた漫画を思い出す。彼女の作品から得たインスピレーションで、「月も湯の中 旅の宿」という俳句を投稿したら、賞を与かった。それ以来、俳句と短歌にのめり込んだ。杉浦女史は、当時、貧乏書生の僕にとって、近世文学の師匠であり神様だった。しかし、彼女はもういない。今生での役目を立派に果たして、お月様の世界へ帰ったのかも知れない。深山幽谷に湧いた温泉に、お月様のようなのりちゃんの顔が浮かぶと、月世の巫女のような日向子さんを思い出す‥合掌。 人生の旅路を、存分に堪能しなくちゃね ‥のりちゃん!
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yamatomoさん、北方稜線に行くの〜 すご〜い
私には、単独では行きたくても行けないルートです。池ノ平〜小窓ノ頭〜剣、いいでしょうね。報告楽しみにしています。危険なルートですからくれぐれも慎重にお願いしますよ!
テント泊山行で10?以下?20?以下の間違いでなく?だって、テント、フライ、エアマット、シュラフ、シュラフカバー、コンロ一式、雨具、ザック、食糧、ここでもう10?は軽〜くオーバーしてるでしょ?
私は膝を傷めてから17?超えはダメですね。下りで直ぐに膝にきてしまう。もう山登りもできなくなるかもって思っていたけれど、今年のように軽荷でだったら距離があっても何ともないんです。走っても大丈夫だったし。それだけ荷物の負担て大きいですよね。テント泊も魅力だけれど、膝を壊さないために、単独テントは極力しないかな。