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餓鬼岳&唐沢岳ピストン
北アルプスの山小屋のほとんどが10月10日までには小屋閉まいだ。今回はピストン計画のため小屋には泊まらない予定だが、万が一ハプニングが起きれば餓鬼岳小屋に泊まることができる、ということが前提の計画だ。
今シーズン最後の北アルプス山行は、ロングトレイルを中心に歩いてきた今年を象徴する極めつけの山行となった。最初に言ってしまうが、本当にキツかった マイッタ
10月1日(木)午前0時半頃に安曇野川道の駅に到着 して車中泊。午前5時頃に出発して、餓鬼岳白沢登山口駐車場に着いたのが5時半。
三重ナンバーの先客がいた。
簡易式とはいえ、トイレがあるのは素晴らしい。二百名山だけのことはある。
ここにはきちんと停めれば4台ほど駐車できるが、もう少し下にもっと広い駐車スペースがある。
簡易トイレの直ぐ横が登山口への道となっている。
親切にタクシーの電話番号まで書いてある。
登山口を05:55に出発
陽が短くなっているので、6時とはいえ樹林帯はまだ暗くて写真がブレてしまう。
それに今日のコースタイムは15時間50分 登りで時間を稼ぎたいので、まずはどんどん登って、下山時に撮ろうと思った。
そんなわけでいきなり‘紅葉ノ滝’06:32。
下の方はまだ紅葉 には早いようだ。
ここは登山口から1時間程はこんな木道だらけ。
ご覧の通り、濡れて、朽ちて滑る滑る 私の大の苦手タイプである。
定員が5名と書いてあるが、この先にも2名だったり、3名だったりとマメに書いてあった。
‘魚止メの滝’ 06:50
この先に最終水場があるが、そこで三重ナンバーの車の持ち主である単独男性に追いつく。彼は唐沢岳まで行って、餓鬼岳小屋泊とのこと。
あとにも先にも登山者に会ったのはこの人だけだった。
空が明るく青くなってきた。
今日は晴れ の予報。それでも山ではあてにならないので実際に空が明るくなると嬉しくなる
‘大凪山山頂’08:07
展・/span>なし。
普通に樹林帯。
入山してから初めて展・/span>が開ける。もの凄く広い雲海だ
白い山肌に紅葉。
この辺りの紅葉は終わりかけのようだ。ガスの中付近が本当は盛りだったのだろう。
ダケカンバかな?この樹林帯に入ると稜線までは直線距離にすると大したことはないのだが、『百曲り』といって、つづら折りの道が結構長い。ただ、ここまでの道のりを思えば「大したことはない。」と言いたくなるのだ。
餓鬼岳小屋 09:37。
稜線に出るなり小屋のまん前だ。ここは帰りに寄るとして、スルーする。
小屋から直ぐのところに餓鬼岳山頂。09:42。予定時間をクリア。
素晴らしい 北アルプスのほとんどの山々が眺・/span>できる
後ろにちょこっと尖った頭を見せているのが槍ヶ岳。
雲海の端には鹿島槍。
爺、鳴沢、蓮華岳などが重なるように連なっている。
そしてこれから向かう‘唐沢岳’への尾根&ピーク。その奥には5日前に登った剣岳も見えている。
唐沢岳への道のりは、このように展・/span>の良いところもチョコチョコあるが、多くは樹林帯のアップダウンでかなりキツイ
‘唐沢岳’11:29/12:02
ようやく着いた
だ〜れもいない。こんな快晴 の日に独り占めなんて贅沢だなぁ〜 腹ごしらえをしてから、地図を広げ山座同定…でも山って見る方角で形が違うから難しいのよね。
鹿島槍からグルっと展・/span>。
頂上から七倉や高瀬ダムが見えるのかと思っていたけれど、雲海がなくても深くて見えそうにない。
往路で頑張った分、復路の時間に少し・/span>裕ができたのでルートの写真を撮る。
餓鬼岳から唐沢岳の間のアップダウンは半端じゃない 急下降、急攀の連続だ
木に掴まりながらの 下り
写真は当たり前に展・/span>の良いところを選ぶけれど、この縦走路の辛いところは、ルートの多くが樹林帯をひたすら歩く時間が長いこと
餓鬼のコブから唐沢岳を振り返る。
下から餓鬼岳までで足が消耗している分、ここのアップダウンは堪える
展・/span>台に寄り道。13:29/12:40
餓鬼岳小屋 14:00/14:13予定通り
この小屋、以前は食事がとても良くて・/span>判の小屋だったが、小屋番さんが変わってからは食事も良くないし、愛想も悪いと不人気の噂が多い。
けれど、バッチを購入のために立ち寄ると、「お泊まりは大丈夫ですか?他には何か?」と、その声の表情にはちょっとぶっきらぼう風だけれど人間味を感じたし、バイトらしき青年はシャイな挨拶をしてくれた。
私てきにはソツのない人よりも、あまり器用に生きていないこんな人達に好感が持てた。(失礼な書き方かもしれません。ゴメンナサイ。)
経済的に・/span>裕があれば、泊まりたかったなーって感じ。
小屋の高台から見た、燕岳へ続く東沢岳方面。
当初、小屋泊の計画をしたのだが、その場合は東沢岳をピストンしてから下山しようと思っていた。でも、明日の予報は完全に雨だし、日帰りすれば小屋代だけでなく、帰りの高速も深夜割引を利用できて安くつくからね
とはいえ、この尾根もなかなか惹かれるな〜
小屋高台からの餓鬼岳山頂。
さあ、あとは樹林帯を下るのみ。いや下るといってもここからもアップダウンが小刻みに連続するのだ。
尾根中央に餓鬼岳小屋。
百曲りも過ぎて、ぼちぼちガスってきた。
松の実?こうやって登山道で何か所も食べ散らかした跡が残っている。猿?熊?! どっちも遭遇したくない
ガレ場を下りる。
落石、滑落注意の看板あり。
最終の水場 16:09/16:17
行きには立ち寄らなかったので、飲んでおこう。
魚止メの滝 16:36通過。
沢筋は木道のオンパレード。
相変わらず濡れているし、下りは尚のこと滑る 怖い ・/span>んだら骨折の可能性大だから慎重に慎重に。
沢を巻くので、最後までこの程度のアップダウンが繰り返される。
一応鉄線が山側に張ってあるけれど、掴まろうとすると逆にバランスを崩すので、靴底をなるべくビタッと着けて蹴らないようにそろ〜り、そろ〜り。
鎖のところは階段のように岩を削ってあるからいいけれど、その後のトラバースルートわかる?岩斜面に細くある。でも案外木道よりは滑らない。ビビると進めないので思い切りよく歩く。
最後の最後は栗拾いをしながら歩く。
足で毬を取って、中身を握りしめ
登山口には17:24着。
下りは写真をいっぱい撮ったり、水場に何か所も立ち寄ったり、何より木道では超慎重歩きだったし、おまけに栗拾いまでしたので時間が掛かってしまった
餓鬼岳小屋まで登りが3時間42分。下りが3時間11分。
餓鬼岳小屋から唐沢岳までの往路が1時間52分。復路は展・/span>台に寄り道して休憩をしているので2時間2分だが、歩行時間としては往路復路同じタイムと考えられる。入山から下山までの所要時間=11時間29分。休憩時間も入ってはいるが、長い長い行動時間だ。最初から最後までアップダウンの繰り返しで、標高差にしたら一体どれだけあるのだろうか こんなに疲れたのは久し振りだ あたりは大分暗くなってきた。
下山が後30分遅れてもヘッドランプが必要だったなぁ。ギリギリセーフ。
ここから10分ほど林道を下ると駐車場。
道の駅でポスターが貼ってあった日帰り温泉の‘すずむし荘’に行ったらなんと木曜定休だった ポスターに書いておいてくれ
大町温泉郷まで車を走らせ、毎度の‘薬師の湯 ’でのんびり温まり帰途についた。
コメント
写真をクリック拡大すと可愛い美女、唐沢岳を日帰りとは驚き、関心、、、!
私も負けじと雄大な写真を一枚写したいですね、本当に素敵なレポートと写真でした。
ありがとうございます。
ご丁寧なお答えを毎度ありがとうございます!!
日々、精進して、いつまでも山へ登れますように......。
今年の冬は、塔ノ岳でお会いしましょう!!
URL:
塔ノ岳さん、単独行の心配をしていただいてありがとう。気を付けたいと思います。北アルプスは、そう、 たようですね。でもよ〜〜〜く気持ちはわかります。仕事前日に渋滞に巻き込まれるのは本当に堪らないもの。私は土日休みというわけではないから、1000円にはならないため、半額となる深夜に走る のを常としています。考えようによっては渋滞よりもいいかもしれませんね。
そして塔ノ岳さん、私はお会いしたことがあることを確信しました。もちろん話しをしたことはありませんが、一番印象に残っているのが太い太ももです 塔を1日に3回も登っているとその時に知り、あの位太くないとあんな風には登れないんだろうな〜と思ったのがアナタでした 確かに無愛想に見えました が、実は喋ると違うとも聞いています 今度お見掛けしたら、私の方から声を掛けますね。私は唯者ですからきっとわかりませんよ
早速の返事をありがとうございました。結果的には10/4は北アルプス全域快晴のようでした。冒険するには遠い距離なので、天気はオールラウンドの丹沢にしてしまいました。ETCのおかげで北アルプスに行きやすくはなりましたが、帰りの高速渋滞が常に頭の中を支配しています。翌10/5が月曜日なので二の足を踏んでしまいました。少し残念.......ではありますが!
車の運・/span>が・/span>り好きではないので丹沢が多いようです。決して丹沢に心酔しているわけではありません。電車で行く定番コースと冬場になると3本/1日を車で行く場合とに分かれます。12月〜3月は尊仏山荘に3回/1日寄るのでお会いしている可能性大です!! いつもタイムトライアルしている訳ではありませんが、ゆっくりとはしていませんので無愛想に映っているかもしれません。こんな習性を持っているのでどうぞよろしくお願いします。noriさんの餓鬼岳から唐沢岳日帰りは唯者ではないな!と直感したのでお便りしてしまいました。本当に凄いと思います!!
唯、単独行はリスクあるので山小屋開設時期だけにして安全に徹してください。
このブログを見ると、元気にさせてもらえそうです!!
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塔ノ岳さん、悪天候を予測して丹沢に切り替えるのは良い選択だと思います。
私は今日が夜勤明けなので、御嶽山を濁河温泉 から入山の予定でしたが断念しています。またの機会はあるでしょうし、山のご機嫌が悪い時に行くことはないと思っています。
塔ノ岳さんのブログを拝見して、スゴイなぁ〜〜〜 と思いました。山岳マラソン主流なんですね?蛭への日帰りは、まだしたことがなく、自信もいまひとつです。塔ノ岳に登られる時は、いつも尊仏山荘に立ち寄られていませんか?間違いかもしれませんが、ひょっとして面識があるように思いまして・・・。
当初10/4は、北アルプスを考えていましたが、ダブル台風が接近中で山岳地帯は巨大雲の中ではないかと予想して断念しました!! 10/1の好天は私も確信してましたが....。
まあ、8〜9月で北アルプスは6回行けましたので満足はしていますが...。
しかし、餓鬼岳は急登でした。厳しいコースだと思います。本当に餓鬼岳山頂は、達成感のある頂上ですよね!!
10/4は、定番の大倉バス停から橋本駅北口まで行ってきました。
台風の影響で、早くも湿った空気に覆われていて終日視界不良でした!!
丹沢では、天気予報が良くてもガスることが多いので慣れてはいますが.....。
今年は、芝栗が豊作のようで、熊も沢山食べているようです!!!
もし、10月に山に入る時は、熊鈴をお忘れなく!!
私のブログは、塔ノ岳から菰釣山へで見れると思うのでよろしくお願いします!!!
丹沢でお見かけしたら、お声を掛けたいと思いますので.......!!
URL:
yatarouさん、餓鬼・唐沢岳ピストンは本当に大変でした
‘餓鬼岳’というのは名前に興味を持ったのが一つと、北アルプスの外れなので日帰りに向いているということで今回は選びました。
今年は厳しいコースをわざわざ選んでいるわけではないのですが、以前からずっと温めていた計画がたまたま状況(仕事・介護・体調・天気など)に合致して実行できたんですよ。仕事的には去年までは月1回は3連休以上があったので、わざわざ日帰りの山を選ぶことがなかったのですが、今年は夏休み以外は2連休がいいところなので、日帰りか1泊で行ける山が条件になります。自分の運・/span>と足で時間や距離を稼いでいるようなものですね 人間必要に迫られると好きなことのためには頑張れるものですね
塔ノ岳さん、ようこそ
白沢沿いのコース、滑落や負傷、不思議じゃないですね。危ないもの。
東沢〜燕方向へ周回したのですね。なるほど、それいいですね。東沢のルートを見てそそられました。来年行ってみようかな
塔ノ岳が好きなんですね 私は寒い時期になったら塔には訓練?登山で行きますよ。見掛けたら声を掛けて下さいね。
間瀬さんのお名前は去年までの私だったら全く知りませんでしたが、今年初めて北丹沢のレースに出たことから、その世界でトップクラスの方なんだとわかります。私には到底無理です。ご覧のように、今回も日帰りでも250枚以上の写真を撮っているし、お遊びもしながら楽しみながらの登山スタイルなので、山を走る のはもったいなくてできません。ただレースの楽しさもわかるので、それはそれで登山とは別物として楽しめたらいいと思います。塔ノ岳さんはトレランをするのですか?
北アルプスはどちらに行ったのでしょう?
素晴らしい健脚ぶりだとお見受けしました!!!
餓鬼岳の白沢沿いの道は何人もが滑落負傷する危険なアプローチです。
私も8/14に車をすずむし荘に置いてからスタートして白沢から餓鬼岳から燕岳から中房温泉そしてすずむし荘と周回してます。当日も写真で見る限りは、同じような雲海で稜線上は絶景でした。唐沢岳まで参考になりました。Noriさんの脚力なら、餓鬼岳から燕山荘まで3Hジャスト保証します。私のリンク名からして丹沢専門なのでいつかは塔ノ岳でお会いできる日が来るのではないでしょうか!?
北アルプスいいですねぇ........!!! 私も今晩から何処か北アルプス日帰り狙ってます!! Noriさんの脚力からして、今後は間瀬ちがやさん目標にトレランの世界でのご活躍を期待してます。また、今後の記録、拝見させていただきます!!
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今年はキリマンジャロの後、少しブランクがあったようだけど、春、夏、秋と特に厳しいコースばかり目掛けて挑戦していますね。怪我も無くて何よりです。超人的な体力の持ち主だからこそ出来る山行スタイルだと思います。夜中、車を運・/span>して、早朝から日暮れまで歩き通すなんて俺には絶対無理!
その中でも今回は一番きつかったということですが、急登、急下降の連続は一番堪えるよね。 登りなら登り一辺倒の方が体が慣れるんだけども‥‥。
餓鬼岳って一般の登山者はあまり関心を持たないところだと思っていましたが、ちゃんと営業小屋もあるんですね。よくこういうコースを歩く気になるよなー。しかも15H50のコースタイムのところを実質10H・/span>りで歩いたということですか。凄い
URL:
あるぷすさん、今回は計算違いでした。ひたすら登る山だとコースタイムは甘くなっているのが普通なので、そのつもりで考えてしまいました。餓鬼岳はアップダウンしながら登って行く山でした。いつも2万5千分の1の地図で確認するのですが、今回は購入が間に合わず、5万分の1の地図だけ見ていたので気が付きませんでした。でもちょっと考えればわかったはずなのに 反省です。ギリギリまで行き先を悩んでいたというのもあります。いずれにしても、今シーズンの北アルプス最後のつもりでした。
南アルプスも行きたかったのですが、山が深いので日帰りや1泊で行ける山は限られてしまうんですよ。交通の便も悪いしね。その点、北アルプスはありがたいです。また来年に持ち越した計画は盛り沢山です。
これからは少し低めの山、単品の山に行くことになります。
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このところ立て続けに北アルプスに登っているようですね。おまけに今回は15時間50分のロングトレイル。あるぷすはこの参考タイムを見ただけで尻込みしちゃいますよ。日帰りなどとんでもないってね。休憩を含め11時間半で登り下りしてくるなんてnoriちゃんはやっぱり韋駄天ですよ。タフなんだなぁ。三重の人のように普通は山小屋泊しますよ。
山行は に恵まれたようで何よりでしたね。雲海から突き出た山並に澄み渡った青い空。樹林帯を抜けてからの景色 は最高に気持がいいですものね。栗も拾えたしね。濡れた木道はいやだけどね。熊 に出くわさなくて良かったですね。お疲れさまでした
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fumikaiさん、レポートを見ていただいてありがとうございます。
そして餓鬼岳、唐沢岳へ行く気が増したとか、何かの参考にしていただけるとしたら本・/span>です
このルートの日帰りは私にはかなり大変でした。晴れていたことに救われました。あれで山頂で何も見えなかったら疲れだけが残ったかも。。
どうぞお気をつけて行ってきてください。