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知床岬探検隊 その?
2010年10月8日(金) 羽田空港11:35発
中標津空港ロビーで関西から参加のYさんと、マイカーで迎えに来てくれた志水ガイドと合流。これが今回の『知床岬探検隊』総勢4名である。
まずは羅臼のコンビニで明日からの行動食を各自購入。その後、羅臼第一ホテルで日帰り温泉 に寄る。 志水ガイドは温泉嫌いなので、あっという間の入浴タイムである。私達もなるべく急い
で、でもこの乳青色の極上の湯を楽しむ。
そして相泊の最奥にある宿、『熊の穴』へ16時過ぎに到着
1階が食堂、2階が宿泊施設となっている。
私達が着ているお揃いのTシャツは‘知床岬探検隊’プロジェクトチームとして、志水ガイドがマムートとの提携で作ってくれたもの。志水ガイドは今後も環境問題をテーマに追跡?提言?などをしていくようだ。
宿では1室の和室に4人で泊まる。
夕食前に明日からの共同装備(テント一式・食料・燃料・ザイルなどその他)について確認と、誰が何を持つかをガイドの指示と相談によって決めていく。
私の担当は米や肉、燃料などの食料系となる。
夕食タイム。
焼き魚は羅臼産ホッケである。これがそんじょそこらのホッケとはわけが違う。脂がのっていて抜群に美味しい!
お刺身はトキサケといって、季節外れの鮭だったか。そして羅臼産のマグロ。温暖化の影響で羅臼でもマグロが上がるようになったという。
一番珍しかったのが、上の小皿にある黒い粒々の卵。あれ?何の卵だったかな?まるで海水で洗っただけのようなシンプルな味わいで、弾力があった。
天ぷらまでは食べきれなかった。
夕食後は、宿のご主人である木野本さんに、知床岬までの行程についてアドバイスを受ける。危険箇所、高巻く場所、絶対に干潮の時にしか通過できない場所など、地図と写真を交えながら丁寧に教えて下さる。
明日、10月9日の干潮は08:30、10日は09:00、11日は09:30とのこと。
干潮の時刻から3時間以内に高巻きのできない場所を通過する必要があるのだ。
10月9日(土)4時2分、ヘッドランプを点けて、相泊の熊宿を出発する。
志水隊長を先頭に、ひたすら石ころの海岸線を知床岬へ向って歩いて行く。
空が明るくなると共に撮影開始
全員鈴を付け、私以外の3人は笛をピィーピィー鳴らしながらヒグマを警戒しながら進む。
足元の石が丸くて不安定なものもあり、歩きにくい。
奇岩が次々に登場する。
【コースタイム】相泊04:02→観音岩05:43→金●汚し06:10→タケノコ岩07:30→モイレウシ川07:58→剣岩08:10→メガネ岩08:32→ペキン川09:10→7.4危険地点09:55→滝川11:06→念仏岩洞窟12:15
上記中には適当に休憩を挟んだり、ザイルを出すなどの時間も含まれている大雑把な通過タイムである。
そして周囲を見回すと、岩のあちらこちらに無数の小さな観音様が祀られている。
ウナキベツ川には橋がかかっており、2つこのような橋を渡る。
次に待ち構えているのが前方に見える『金●汚し』と木野本さんから教わった濡れ場である。
最初に志水隊長が突端まで行き、見えない場所のルート確認をする。
ロープは漁業関係のものと思われ、歩行の補助にはならない。
おっと!深くて渡れない場所に遭遇!
早くも泳ぎか?と一瞬ドキッとしたが…
ぐっと奥へへつれるようになっていた。
あ〜良かった 私、かなづちだし。。
ほーら、こんな具合。
やれやれと思うのも束の間。
どこまで岩場が続くのか。
これは干潮であることと、波が穏やかであることが本当に重要だ。
今度は岩と岩の間が深い場所もあるので、飛び移らなければならない。
こんなところで写真など撮っていると「何してるの?!早く来て!!」と隊長から指示が飛ぶ。
見えてきました、一番右端にちょこっと‘タケノコ岩’
見通しの悪い場所では尚のこと、まずピィーピィー吹いてから進む。
タケノコ岩が近づいてきた。
大岩を右へ左へ、登ったり降りたり…
大岩地帯が続き、重い荷物には結構堪える。
休憩中。
隊長が渋い表情をしているのは、隊長の背中側の岩と岩の間にAさんが落ちたのだった。つかんだ岩が剥がれてしまい、身体が宙を舞った。私も振り向きざまにその瞬間を見たのだが、正直いって無事ではないと思った。
しかし運良く下は砂地で、高さもさほどではなく、飛んだ目の前の岩に激突し落ち、打撲と擦過傷で済んだ。元気な声が聴こえた時にはどれだけほっとしたことか。
隊長は「自然の岩は崩れることを考えて掴まらないとダメだ 」と注意を与えつつ、誰よりも胸をなでおろしていたことだろう。Aさんは謝るばかり。いや、本当に無事で良かった。良かったよぉ。
もいっちょ山越えするとモイレウシ川の流れる海岸へ出る。
モイレウシ川には鮭が遡上した跡であり、熊が食したような形跡が多数あり。
川の水は海の水よりも冷たい。
これから剣岩付近の危険チェック箇所。海側を通過するにあたり、万が一の時に流されないように4人でザイルを結びあって進む。
熊宿の木野本さんから、「剣岩を通過する時に海水が膝下まで上がっていたらペキンの鼻周辺以降は通れない。」と聞いていたが、ご覧の通り、足首あたりでセーフ
幅50cm くらいで深い溝がある。
何をしているかというと、羅臼昆布とウニを物色中
結局、昆布2本?ウニ4個をゲット。
夕食でのお楽しみとなる。
これ本当に干潮でなかったら、波が高かったら恐ろしいわ。
今が歩くのには最高の状態だ。
登り切ると、また違った岩のオブジェと深い蒼の海。
高さのある岩場の急下降。
志水隊長が確保しながら、3人が1人ずつ降りて行く。
ペキン川通過。
ペキンの鼻は山越えする。
越えて降りる一帯にこの赤い実が幾つもある。この時はなんだかわからなかったけれど、これはハマナスの実だったのだ。
ということは、ハマナスの季節はピンクの彩りでさぞや美しいことだろう。
石ころの海岸線が終わると、本日最後の難関、‘7.4地点’へ突入する。
U字帯となっていたので、3人が通過するところを対面から撮影
ここでは隊長から写真を撮る許可がおりていたので、慌てず堂々とカメラを向けられた
ここは落ちると深いぞ〜
私はトラバースが一番苦手だ。そして泳げない私は「落ちたら大変」と思うだけで足がすくむ
おまけにザックが重くて後ろに引っ張られ、Y氏の後に3番手で通過するが、見るも無残な状態、停滞となってしまった。根性で落ちはしなかったものの、隊長に「下手」とあっさり切り捨てられた 今頃何を言うか 元からだよ
隊長の立っている岩へ飛び移るまでは頑張りで何とかなったが、結局ここから先はいずれにしても海の中を歩くしかなかった。
ほら、こんなに深いんだもの。どうせ濡れるなら、最初に落ちても変わらなかったような…
海水の温度が温くて助かった〜
最後に隊長。
自分だけ濡れないで渡ろうと、ストックで高めの岩を確認中。最初からその岩があったことを知っていたと後から言う根性の悪さである
ところがそれを見ていた私達3人から「ずる〜い!落ちろー!!」と罵声、呪いをかけられ見事に顔までドボン
ってなわけで、仲良く皆ずぶ濡れで、今日のテント場である念仏岩洞窟を目指してまだ進む。
岩と岩の通り抜け。
ザックが通らないので下ろして引きずる。
足元は岩か石、大小さまざまで、だんだん足の裏が痛くなってくる。
これも殿様バッタか、トドかって感じの顔に見えるんだけどどうかしら?
岩から覗く空ってキレイだし、広がりを感じるなー。
これでもかってほど、大岩が続く。
滝の下。 久し振りの歩き易い平坦な地面が妙にありがたかった。
女滝の水が海へ流れ出るのを食事用の水として使った。
北海道はエキノコッカスが心配だ。なるべく煮沸して利用する。
今回この花は行程随所に見られた。とはいっても時期はほぼ終わっていた。
熊糞はいたるところにドサッとあった。
相当数生息しているのだろう。
ようやく2日間泊まるテント場、‘念仏岩洞窟’に12:15到着。
濡れた身体や衣類を乾かすためにも焚き火をしなくちゃ。
みんなでセッセと薪拾い。
無事に火は燃え盛ってきた。
洞窟の上の岩から水が滴り落ちてくる。
そこに鍋を並べ、飲食用の水を確保する。
洞窟の中から見上げた空と海が美しい。
明日の予報は雨だが、さてどうだろう?
ところがなんと、4個のうち身がしっかり入っていたのは一番小さい殻の1個だけだった。
わずかな量のウニを分け合って2口ずつ食べる。
量が少ない分、・/span>計に美味しく感じた。
サッと茹でた羅臼昆布。
歯ごたえがあり、適度な塩気がまた旨い!
焚き火を囲んで衣類を乾かしながら雑談。
夕食はテントの中で。
まずは豚肉と玉ねぎの炒め物。
志水隊長が料理、分配をしてくれる。
次に食器が空くと、具無し焼きそばだ。
それでも結構美味しいのだ。
食後はお酒タイム。
Yさんはワイン、隊長はウイスキーを持参。
飲むほどに口はなめらかになり、こちらでストップをかけないと止まらない
強い女性陣にウイスキーを取り上げられ、しょぼくれる隊長であった。
テント内は4人で寝ると暑いくらいだった。
明日は知床岬突端へ到達だ。
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コメント
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食事はおいしそうだけど…凄い所行ったのね
全身筋肉痛になりそう
苦労して進んで見る景色は最高だろうな
あ〜ウニが羨ましい
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昔の人は河童とお友達だったから、彼らのお皿を借りて 頭に乗っけていれば、水の中でもOK だったんじゃないかしら ‥山の中では、クマやキツネやお猿さんたちと仲良しだったから、彼らの毛皮に守られて寒さの中でもOK だったのだと思います! え〜っと 、もう そろそろ、口きいてもらえるのかしらん (*^o^*)/ ダメ? ‥
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そうだね、ドライスーツなら濡れなくてあったかいね。
ただ岩場や樹林帯でも枝に引っ掛けたり擦れたりして膝や肘などに穴が開いちゃいそうだ。何より行動中は暑くてたまらんよね、今度は。
寒がりの私でも、行動中なら気温4〜5℃までなら半袖1枚でも大丈夫なくらいだから。
暑さは消耗するし、水分を必要としてしまうからこれもまた問題だ。
ということで、山(陸)には山、海には海に合ったウエアになっているもんだと感心
そういうのがなかった昔の人は強かったね。
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ドライスーツみたいなのだと寒くないんだろうね
でも動きづらいしダメ なんだろうけど
にゃんこも寒いのには勝てん
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楽しそうだねぇ〜 仲間に入れてくんない 海坊主は (*^o^*)/ ‥てゆーか 知床岬その?で、デリカシーのない発言しちゃったから‥、口きいてもらえないんだっけ (-.-;)
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‘オウムみたいなくちばし’でわかったよ
ほんと、写真でまじまじ見た方が色々に見えてくるね
しかし河童となるとまた悩ましい。。
濡れて風に吹かれると寒いんだよ この時期は海水の温度が高めだったので、ある意味ボチャンと浸かる時は案外いいのだけれど、上がってからの方が辛いのだ。私は寒さに弱いので、皆が洞窟で2枚〜3枚の服装でも、私はその上にダウンとフリース、雨具を着こんで過ごしたよ。寒かった
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おかっぱ頭のイノブタの横顔ね〜
見方は一緒だニャン
おかっぱの下のイノブタの鼻が、くちばしに見えるんだ
岩がちょこっと割れている部分がオウムみたいなくちばしに見えるの。
目をつぶってチュ〜に見える。ベレー帽被った鳥
イノブタ イノブタ ってみてたら、河童の横顔にも見えてきたよ
こういうものって、直に見るよりも、写真とかでじっくり見た方が、色々なものに想像できるような気がしてきたニャン
全部濡れちゃうんだ 寒い時期は大変だね
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全部全て濡れちゃうよぉー。だから速乾性の衣類を着用するんだよ。そんなに着替えを沢山持っては行かれないから、着たまま乾かせるように。
鳥のチュー はよくわからないな。私は言われてみれば、おかっぱ頭のイノブタがニンマリ笑っている横顔に見える
でもって、あごの出た人が空を見ている図は言う通り見えるよ! 初めはハート型 に見えて、次はマンガに出てくるような太った鳥が羽を広げている図に見えていたけれど、今は顎の出た人にしか見えない
いい想像力だね、にゃんこ 笑わせてもらいました
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わ〜い 楽しそう
水の中にドボ〜ン って、下着も濡れてしまうのかニャン?
水の入らないズボンとかじゃないニャンか?
テント場、‘念仏岩洞窟’に12:15到着。って書いてある横の写真
鳥さん がチュウ しているように見えるニャン
ブチュ〜じゃなくて チュッって感じかな
愛嬌のある岩、のりちゃまには何に見えるの?
にゃんこには、あごの出た人に見えるニャン 空を見ている の図。
その下のはトカゲに見える アハハ
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ケンチャン、知床岬への道のりは、石ころと岩場がほとんどだったので、心身共に結構疲れました。けれど、変化があるというのは楽しいですね。奇岩や海の景観など、日頃の山登りとはひと味違った楽しみがありました。
sabuyan、熊宿のご主人の話しは本当に参考になりました。
潮の満ち干きを考えずに歩いていたら、私では通過は無理な場所が幾つもありました。
自然の力の偉大さを改めて感じましたよ。
ツキノワグマ3世さん、
私達は共存できるはずですよ、本当は。
自然との共存は、放置でも断絶でもないと思っています。
知床の海岸を歩いたら、そんなことで自然は守れないことがよ〜くわかると思います。
その辺りのことも次の記事で書きたいと思っています。
亀さんは北海道出身でしたね。地名や川の名前など独特ですよね。
知床の自然の美しさと厳しさに少し触れられましたが、もっともっとゆっくりじっくり過ごせたら、新しい発見も感動も沢山得られる場所だとも感じました。
亀さん、ありがとう
よくもこんな所へ行ったもんだ我々の年代には考えられなかったと言うのが第一印象です。
行動力と冒険心には驚きです。良き時代に成りましたね。
知床の自然は大丈夫の様ですね川の水の色はタンニンが流れ込んでいる色ですよねヒグマも鮭も健在ぶりが判りました。
知床の大自然と触れ合い語り自然を食し良い旅でしたね後編も期待してます。
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コラー!
勝手にオラの縄張りに入って自己満足に浸ってんじゃなーい!
これだから人間は嫌いなんだよなぁ。
自然との共存?聞いて呆れる・/span>ォ?。
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知床半島を海岸伝いに歩く冒険だったようですね。数々の奇岩が印象的。観音様も。
熊の痕跡があちこちに生々しく残っていて笛吹きも忙しかったことでしょう。熊宿の御主人はさすがに地元だけあって的確なアドバイスをされたことでしょう。明日はいよいよ知床岬の突端。♪しれ〜とこのみさきに〜♪と歌いながら楽しんでね。
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ほんとうは‥すご〜く シビアな場面の連続 のはずなのに、どことなくほんわかとして、のほほんとした、ユーモラスな筆致が印象的です ‥。真剣で大真面目なのに、ほのぼのとして笑える!(^^)v 童心に還って 、心から楽しんでいるのが伝わって来る。冒険心を掻き立てる、知床の魅力でしょうか
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やっぱり食い気のようだね
あの皆で分け合った、ちょっぴりのウニの味はたまりません でした
筋肉痛の前に、辿りつけないかも〜。ネズミいないしィ。