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知床岬探検隊 その?
2010年10月10日(土)
【コースタイム】念仏岩06:18→念仏岩下降06:43→カブト岩取り付き07:15→カブト岩ピーク07:23/7:34カブト岩下降終了08:07→赤岩?08:29→知床岬突端09:22/09:34→岬草原からの下降地点09:50→カブト岩11:58→念仏岩洞窟12:28 泊
朝一番から念仏岩の高巻きで始まる。
いきなりの急登だ。
ザイルを結び合いながら、残置ザイルにも環付ビナを通して攀じっていく。
そして下降。
小石の海岸線を歩く。
左手には羅臼昆布が多数打ち上げられている。これに乗るとすご〜く滑るのだ。
霧雨程度の雨だが、空がなんとな〜く明るくなってきているようにも感じられる。
知床岬までの道のりには多数の番屋が立ち並んでいるため、人はいないが人の営みを感じる。これは山とは大いに異なる点である。
川から引いてある水場だ。
エキノコックスもなんのその!がぶがぶ喉を潤す。
いよいよ最後の難関である、カブト岩に取り付く。まずは草付きの急登である。
尾根に上がると、樹林の際を登って行く。
こちらは今歩いてきたところ。
手前の尾根の木々に沿って登ってきた。
そして辿り着いたここが急斜面の下降地点。
残置ロープはない。ザイルを使わなければ、万が一落ちたら止まる斜面ではないのだ。周囲にビレイ支点となる木もない。
今回持参したザイルは1本だが、下までは届かない。ザイルが届くところまで降りれば、その下は大丈夫なのかもわからない。
ダメならここで撤退しかないのだ。
と、そこで足元に 雪山で使われるという支点が打ち込んであった。
それを利用して下降してみることになる。
隊長の指示で準備を整えるAさん。
私は役立たずなので撮影隊。
1番手にAさんが懸垂下降。
上から隊長が指示を出すためと、ザイルが届くところまで降りて、それ以下がザイル無しでは危険となればAさんを引き上げることになる。
Yさんはシュリンゲで身体を固定し、錘がわりにAさんの反対側へ体重をかけている。
そして隊長は下のAさんに大声で指示を与える。
ザイル末端地点から下は何とか降りられそうということで、2番手に私がAさんの待つザイル末端地点まで下降。
「良かったね〜。」なんて言いながら、立つのがやっとの場所で自分撮りの方法をAさんから教わりやってみた。
3番手にYさんが下降。Yさんは私達より体重が重いので、ザイルが大分したまで伸びていた。本当にザイルってあんなに伸びるんだ
ザイルが届かなくなった場所から下も結構な急斜面。しかも泥と小石。お尻を落としてズルようにゆっくりと下りていく。
降りたところで一休み。やれやれ
ああ、帰りはこれを登り返すのだ、と振り返る。
岬の先端?端っこに尖った物が視野に入った。
「あ 灯台かな 」とAさんと私が喜ぶと、「違うよ。」とあっさり隊長。
あんなところには灯台はないそうだ。
そっか、下じゃあ船から見えないもんね。
岩の様子がこれまでとちょっと違っている。
多分これが赤岩だと思う。
この写真では色がわかりにくいが、海面あたりの色が赤茶っぽかった。
あとは危険箇所はないので、気楽に歩く。
これが知床岬の海岸線の実態でもある。
膨大な量と種類のゴミが打ち上げられている。
ここはわかりやすいので撮ったのだが、流れ着く場所ではいずれもゴミはいっぱいあった。これらは明らかにここを歩いた者が捨てたのではなく、流れ着いた物だ。
中身の入ったペットボトルや梅酒もあったし、ビニールの類も多い。
人の立ち入りを禁止したり、制限を設けることで自然を守れることではないのだ。生活圏内で暮らす日常そのものこそが自然を脅かしているのだ。この大自然の中で、目の前に事実をつき付けられ、私は改めて学んだのだった。
海岸線から灯台方面へ登るために取りつき地点を見ている。
沢筋から登る。高さはさほどのことはない。
灯台の横をスルーして岬突端へ向う。
何かの測量計がある。さらにギリギリ突端部へ。
ヤッター
念願の知床岬到達だ。
いくつもの難関を突破してきたからこその達成感が身体に広がる
倒れていた看板を起こして全員で記念撮影
晴れていれば遠くの島が見え、海の蒼さもさぞや美かったことだろう。そんな景色は想像だけに終わったが、ここに立てた喜びはそれぞれがそれぞれの思いとして味わう。
メンバーは満面の笑み 隊長はもう何度も来ているからか、帰りを心配してか、全く感動なしといった面持ち?
小雨は降り続いており、風も結構あってじっとしていると寒い。
さあ、ここから同じ行程を相泊まで戻る復路に入る。
あとはまた、カブト岩と念仏岩を無事に越えればテントに帰れる。
さあ、難所であるカブト岩前の準備中。
隊長、Yさん、Aさん、私の順番で登って行く。
ここは全員登り切って、確保や支点を外す場面。叩きつける雨と突風なのだ
この危険な登りもカメラに納めようとタイミングを見計らってはカメラを取り出してみたが、遅れるし、慌てて滑るしで、結局撮ることができなかった
そんなことが隊長にバレたら「こんな所で何やってんだ 」って相当怒られただろうな
ザックカバーがめくれそうだったので、ギューッと絞る。
安堵の背中。
味噌汁の具のために、また羅臼昆布を吟味して収拾中。夕食準備に抜かりはない。
それをあからさまにザックの中へ押し込んでいた。すごいヌルヌルなんだけど流石です!
念仏岩手前。
足元は昆布だらけだ。
もう・/span>裕の表情。
念仏岩の由来は、崖を念仏を唱えながら渡ったということらしい。
下から見上げると、このルートより下に、怖そうなトラバースのような岩場がある。昔はそこを歩いたのかも。
まずは焚き火。濡れた衣類を着たまま乾かす。
焚き火にする木が不足したので流木を調達に行った。雨水を含んで重たくなっていたので、両手で持つより担ぐ方が運び易いと思った途端にバランスを崩し、岩と流木に右人差し指を挟んでしまった。痛み以上に痺れが…これって何度も経験しているアノ感じ。ヤバイYさんに湿布をいただくと共に、反省。
ただ、関節は無事なので指1本くらい使えなくてもなんとかなりそうだ。
夕ご飯は、マーボー春雨ご飯と、羅臼昆布入り味噌汁だ。おいしい
昨夜はお酒を取り上げられてしょぼくれた隊長だったが、今晩はお酒が残っていたことに素直に喜び「良かった〜」を連呼しながら全て呑み尽くすのだった。
暗くなるとイカ釣り漁船がだんだんと増え、翌朝仄かに明るくなるまでずーっと漁をしていた。
明るさとエンジン音が気になる人も居たようだが、私の睡眠を妨げられるものは無し
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コメント
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この時だったんですね
職場のスタッフたちを心配させないでくださ〜い
本当に骨折しなくて良かった
本当に凄い斜面だな…私、どこまでも・/span>がって行っちゃそう
念願、達成出来ておめでとう
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tabetai3号、クライミング再開したんだ!やっぱりそうでなくっちゃ
私は何年クライミングなんてしてないんだろう。。でもこうして志水ガイドのプランに参加すると、否応なくそういう場所に遭遇するんだ。何とか切り抜けてはいるけれど、1年に1〜2回だから進歩どころじゃないけれど、確かに落ちるというレベルでもない
志水ガイドは‘山と渓谷’でプランの募集をかけているから、まずは日帰りあたりのプランで参加してみたらいいよ。なんといってもお客さん達がみんなイイ人だから楽しいよ。
知床はやっぱり良かったよ〜 ‘こぶし’に入った最初の頃に話を聞いて、ずっと行きたいと思うようになったんだ。私達がまだ‘こぶし’のことを真剣に語り合っていたあの頃だ。
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知床岬探検隊!すごいね、楽しそうだね
こんなところだとは想像していなかったからおどろいた。
いいガイドさんに会えたのも幸せだね。
私も半年ぶりでクライミング再開しました。心配するほどレベルは
おちていなかった・・上手い人には半年のブランクは大きいのかな
下手な私はおちるほどの腕は最初からなかったみたいだ。
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sabuyan、目的地である‘知床岬’に立てて本当に嬉しかったです。あのカブト岩のところでザイルがなければ、または長さが足りなければ、そしてスノーバーが打ち込まれていなかったら到達できなかったのですから。
ただ、私は山でもピークハンターではないので、あの行程を楽しめたことで結構満足していました。どういう場所なのかがよくわかった。
ヒグマはかなり生息していると思いますよ。痕跡多数あったもの。4人だったから怖くなかったけれど、静かに歩いていたり、作業をしていたら遭遇しちゃうんだろうな、って感じでした。
自然破壊の問題は色々な見方があると思うけれど、ただ自分もまたその一人には違いないことを自覚しつつ、できるエコはしたいなぁ、心掛けたいなぁと思う。
ケンチャン、隊長の顔は仏頂面ってわけじゃないと思うよ。そう見えることがまあそういうことなんだろうけれど
隊長が居てこそ辿りつけた道のりだし、私が行くガイドプランはいつも自分一人では行かれないルートに参加するので、志水ガイドの存在はとてもありがたいのです。彼のガイドであれば死なないって思えるもの。ただし別の意味では大変だったりもするけど。特別な人は個性が強いもんねー
北方領土については、戦争抜きには語れない問題ですよね。
いつの日か、日本に返還される日が来るかしらね。
北海道は高校時代から大好きな場所で、山登りをする前から何度となく、あちらこちらを訪れていました。それも自然豊かな場所を求めて。
海岸線ルートは、山でいうとまるで岩であり、沢登りのようでした。けれどそこに潮の満ち干きが関係するなど、自然の偉大さを感じました。
機会があれば、いずれ知床岳に登りたいなぁと思います。
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有形の財産、美しい島国を守りたいものです。 無形の財産、日本人の心は 最後まで守られてほしい。
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さすがですネ
遠いところまで行っちゃうんですから
それも知床連山ではなく、海岸線から
山登りではなく、本当に探検隊です。
やっぱり、国後島や択捉島が日本の領土であればなあと
思いました。
国後島はどうみても日本国内ではないか....といつも考えてしまいます。
やはり、戦争のドサクサに紛れて、侵攻されて.....ロシアの領土となっています
尖閣諸島もそうだし、国と国の利害関係が諸にぶつかって.....
国際法ではなんて思っても、非公式であっても
戦争に負けたと言うことは、こういうことなんです。
北海道が半分ロシアに取られなくて良かったと思ってます。
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知床岬の突端に辿り着き、記念撮影に臨んだメンバーみんなの笑顔が、ほんとうに素晴らしかった 辛い行程を経て、ようやく目的地に到達したときの達成感って、人間をこんなにイイ表情にさせるんだなァ-って、あらためて感動したョ! これを見れただけでも良かった。隊長サンの仏頂面も、なかなか個性豊かで‥ ぼくは意外と好きだナ-!
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無事、知床岬に到着して良かったですね。おめでとう
いきなりの急坂、ベテラン隊長のガイドなしには登れなかったでしょう。きっと。
以前テレビで、番屋でこんぶ漁をする人の生活をドキュメント放送していたけどその時はひぐまがちょこちょこ現れていたっけ。海岸線は知床に限らず今や便利社会になった人間の地上生活物の漂着地点となっている感がある。日本では少子化に向かっていると言われているが地球規模で見れば人口増加は右肩あがり。自然破壊は人口の増加に比例しているのではないだろうか?
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ありがとう。本当に苦労して行っただけに嬉しかったし、終わっても尚、良かったな〜と思える行程でした。
そうね〜ファンタジアどんならコロコロコロコロ…ポチャン かな
焚き火はいいよー。薪拾いも楽しいんだけどね。どうもそそっかしくていかん。仕事と一緒かもね